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よい声は活力の源

今年の暖冬は例年の暖冬とはかなり違って暖かさが例年の常識を飛び越えています。
暖かいから過ごしやすいかといえば、そうでもなく、身体は例年のように寒さに適応しようとし、でも適応できず、なんとなく不安定な感じです。結構体調を崩している人も多く、春の喜びが感じられません。

いよいよ花粉の飛ぶ季節にもなり、頭がぼぉーとし、からだが重い日々になってきました。自然を壊せば結果的には私たちの生存が脅かされることになる、ということはずいぶん前から色々言われてきていますから分かったような気がしている人も多いと思いますが、実際に自分たちの生活を変えることはなかなか出来ないものですね。ただただ楽をするのも、便利さを追求するのも、ほどほどにしなければなりません。

人間は生物であり、動物です。自分がサイボーグでもなく、人形でもなく、血の通った人間であることを現実に捉えられない子ども(大人もかも)たちが出現してきていることをとても心配しています。
「声を出す」ということは、動物が持っている根源的な能力です。

「良く声を出す」ことは、自分がいきものとして生きているということを確認することなのです。気持ちよく声を出すことを忘れてはなりません。自分から気持ちよく声をかけ、相手から気持ちのよい声で返事をもらうことが人間生活の、活力の源です。

豊かな自然の中で暮らしてきた日本人は、もともと良く透るきれいな声を持っていたと思われます。自然が豊かで変化にとみ、その自然の音がいずれもとてもきれいだったからです。透き通った水の音、風にそよぐ木々の音、澄んだ空気の中を貫く鳥の声、集く虫の音、川の流れの音、海の波の音もみんな豊かに人の身体や心に響いて、人々は自然の中に自分の声も溶け込ませていきました。そしてこれらの音を言葉の中に取り込んでいったのではないでしょうか。

日本語の持つ母音の音は、自然の音とよく共鳴するように出来ています。古代の人々は、自然の中でおおらかに語り合って心を通わせていたのではないでしょうか。

残念ながら現代の都会生活は、豊かな自然の音を失っています。そのうえわたしたちの日々の暮らしの中には、心地良くない騒音があふれています。車の音、オートバイの音、工事の音、電車の音、冷蔵庫の音、エアコンの音、などなど数え上げればきりの無いほど不快な音にかこまれています。そこに気持ちのよい人間の声が無ければ、心安らかに暮らすことが出来ないのです。

気持ちのよい声を出すということは、本当に大切なことです。
日々、気持ちのよい声を聞き、気持ちのよい声を出していたら、他人を虐待したり、いじめたりしたくならないはずです。

自分が元気でいられるためにも、気持ちのよい声を出すように心がけましょう!


2007.2.16初出
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プロフィール

彩声

Author:彩声
宮崎絢子


株式会社 彩声
代表取締役社長

ボイスコンサルタント

元テレビ東京アナウンサー。
現役時代は報道番組の司会やプロデューサーとしても活躍。
定年退職後、ミヤザキ式ボイストレーニングを構築し、2000年に教室をオープン。
広く、声の重要性を伝えるために活動中。

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