微妙な心を伝え合う声
2006年が明けて、はやいものでもう2月。立春を迎えます。
春は名のみの風の寒さや――本当に寒い日が続いています。
今年は日本海側各地の大雪のニュースが連日のように報道され、毎日のように雪に埋もれて人が死ぬという事態は、これまでに経験したことの無いような事態です。
北極の寒気が降りてきているので、日本だけではなく、ヨーロッパでも寒波の影響で生活に支障が起きていることや、ロシアでもマイナス40度を越すひどい寒波で凍死する人が出ていると報道されています。一体地球は如何なって行くのでしょうか。
人間も含めてこの地球に生きる生物たちが生きにくい時代を迎えているような気がしてなりません。地球の上げている怒りや悲鳴を私たちは聞き取る力を失ってしまったのではないでしょうか。
自然の音に敏感であった日本人。身の回りにあるかすかな自然の息吹を聞き取り、その変化の警鐘を受け取り、それを言葉にしてきた日本人の感性は、今身の回りにあふれる騒音や機械の音に疲れ、その感性を鈍らせてしまったように思えます。それはゆゆしき問題ではないでしょうか。
私たちは、自分の微妙な気持ちを声に乗せて人に伝えようとします。実はその声を聞き取る力と声を発する力は連動しているのです。微妙な声を聞きとることが出来なければ、微妙なニュアンスを声に出すことが出来なくなってしまいます。お互いに微妙な心の動きを伝え合い、確かめ合うことがとても難しくなってしまうのです。
私たちにとって、愛情を伝え合うことはとても大切なことです。深い愛情を伝え合うには、複雑で、微妙な声の揺れが人の心のひだに届くことが必要なのです。声を聞き分ける能力が、愛情をキャッチする能力に結びつきます。勿論顔の表情も、体の動きも重要です。しかし声は相手の心の奥に響き、共鳴させます。深く強い結びつきを可能にさせる力があるのです。
聞く力を磨き、声を響かせる力を磨くことこそ、豊かなコミュニケーションを可能にします。
私たちが生きる力を磨くために、是非よい声を出すトレーニングをしていただきたいと思います。そして色々な出来事が待っているであろう今年も、生き生きと過ごしてゆきましょう。
2006.2.3初出
春は名のみの風の寒さや――本当に寒い日が続いています。
今年は日本海側各地の大雪のニュースが連日のように報道され、毎日のように雪に埋もれて人が死ぬという事態は、これまでに経験したことの無いような事態です。
北極の寒気が降りてきているので、日本だけではなく、ヨーロッパでも寒波の影響で生活に支障が起きていることや、ロシアでもマイナス40度を越すひどい寒波で凍死する人が出ていると報道されています。一体地球は如何なって行くのでしょうか。
人間も含めてこの地球に生きる生物たちが生きにくい時代を迎えているような気がしてなりません。地球の上げている怒りや悲鳴を私たちは聞き取る力を失ってしまったのではないでしょうか。
自然の音に敏感であった日本人。身の回りにあるかすかな自然の息吹を聞き取り、その変化の警鐘を受け取り、それを言葉にしてきた日本人の感性は、今身の回りにあふれる騒音や機械の音に疲れ、その感性を鈍らせてしまったように思えます。それはゆゆしき問題ではないでしょうか。
私たちは、自分の微妙な気持ちを声に乗せて人に伝えようとします。実はその声を聞き取る力と声を発する力は連動しているのです。微妙な声を聞きとることが出来なければ、微妙なニュアンスを声に出すことが出来なくなってしまいます。お互いに微妙な心の動きを伝え合い、確かめ合うことがとても難しくなってしまうのです。
私たちにとって、愛情を伝え合うことはとても大切なことです。深い愛情を伝え合うには、複雑で、微妙な声の揺れが人の心のひだに届くことが必要なのです。声を聞き分ける能力が、愛情をキャッチする能力に結びつきます。勿論顔の表情も、体の動きも重要です。しかし声は相手の心の奥に響き、共鳴させます。深く強い結びつきを可能にさせる力があるのです。
聞く力を磨き、声を響かせる力を磨くことこそ、豊かなコミュニケーションを可能にします。
私たちが生きる力を磨くために、是非よい声を出すトレーニングをしていただきたいと思います。そして色々な出来事が待っているであろう今年も、生き生きと過ごしてゆきましょう。
2006.2.3初出
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