fc2ブログ

いのちの声

日本列島を縦断した台風が大きな被害をもたらしたうえに、大地震に見舞われた新潟の皆さんに心からお見舞い申し上げます。11月に入ってもまだ強い余震が追い討ちをかけて、災害の復旧もままならず、冬を前にした被災地の皆さんの思いはいかばかりかと、胸を締め付けられる思いです。
皆川優太ちゃんの奇跡的な生還は、多くの人達に大きな喜びと勇気を与えましたが、同時に母と姉を失った悲しみは、其れを知ったとき、小さな心にどんな思いを残すか、お父さんやおじいさんおばあさんの胸のうちには、計り知れない苦しみがあることでしょう。

天災は本当に突然やってきて私たちの日常を大きく変えてしまいます。いつも変わらぬ日々が淡々と過ぎていくことに何の疑問も持たずに毎日を過ごしている私たちですが、一旦事が起これば何もかもが変わってしまうのです。今まで築きあげてきた暮らしのすべてを失ってしまった人も何人もいます。これからどうやって生きてゆけばいいのか、途方にくれてしまうでしょう。

そんな中での唯一の救いは、お互いに言葉をかけ合い、助け合って、人の心の温かさにふれることのできる瞬間をたくさんもてることだと思います。

あの優太ちゃん救出の場面でも大きな役割を果たしたのは人の声でした。

救助隊員たちは、瓦礫の中に埋まっている車に向かって、何度も何度も大きな声をかけました。その声を聞き取った優太ちゃんは、きっと身体中に力がわいてきたに違いありません。

精一杯答えた優太ちゃんの声は、救助隊員の耳に届きました。「あっつ、だれかいる!いきているぞ!」その声で彼らは勇気100倍!多くの危険を跳ね除けて優太ちゃんを無事救い出したのです。

「まず声をかける」というのは救助の基本だと救助隊長さんは語っていました。

人の声がどれほど人を勇気付けるかを物語るものだと思います。私たちの声が、こんなにも人を励ますことが出来るものだということを、そして元気のいい声を出せたとき、その声は自分自身をも力づけ支えてくれるものだということを、よくよく私たちは肝に銘じたいと思います。

 
2004.11.9初出
スポンサーサイト



■ Comment

非公開コメント

休講のお知らせ
2022年2/23(水)笹塚教室は
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
プロフィール

彩声

Author:彩声
宮崎絢子


株式会社 彩声
代表取締役社長

ボイスコンサルタント

元テレビ東京アナウンサー。
現役時代は報道番組の司会やプロデューサーとしても活躍。
定年退職後、ミヤザキ式ボイストレーニングを構築し、2000年に教室をオープン。
広く、声の重要性を伝えるために活動中。

リンク
更新通知登録ボタン

更新通知で新しい記事をいち早くお届けします

ブログ内検索
RSSフィード